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2013年7月11日 (木)

句集「火祭」

野沢建代さんから句集「火祭」を頂いた。

著者の「あとがき」に拠ると、『金婚を無事過ごせた記念に句集上木を致しました。句集名の火祭」は臨済宗方広寺派本山の方広寺は二月十六日、半僧坊火祭として祈祷後、火祭、火渡りの行があります。』とあり、方広寺門前町に住む著者からすると最も親しみやすい句集名であろう。
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句集「火祭」は、
 序
 八丁味噌( ~H10)
 火祭   (H11~H14)
 焚夜漁 (H15~H18)
 地蔵盆 (H19~H22)
 慣し笛 (H23~H24)
 あとがき

からなっている。各章の名前は何れも著者の居所周辺の各種行事、生活等に関わるもので、それだけに親しみ易い。句は発表年代順に並べられている。

著者は結社「白魚火(しらをび)」に属し、通称「たっちゃん」の愛称で親しまれ、超明朗で声も大きく抜群のリーダーシップで、著者の所属する句会を牽引している。
白魚火の仁尾正文主宰が本句集の「序」を書いているが、この辺の内容を含め、句集の内容について詳しく述べている。

八丁味噌の章
八丁味噌は岡崎の特産で、嘗てNHKの朝ドラ「純情キラリ」にも登場して話題を呼んだことがある。
  もの言はず寒行の僧通り過ぐ
  軒つばめ八丁味噌の四斗樽
  蕗味噌の一品夫の誕生日

火祭の章
火祭は著者の「あとがき」にもあるように方広寺の行事として広く知られている。
  火祭におろす行者の藁草履
  火祭の髪にこもりし火の匂ひ
  火を渡りきし足洗ふ二月かな

焚夜漁の章
焚夜漁は浜名湖独特の漁法で水中灯とタモ様の網で車海老を獲る、またヤスで蛸や蟹を刺して漁獲するという。
  たも網とやすを積み込み焚夜漁
  夜振火に海鵜しばらく騒ぎをり
  鉄橋を二つ潜りて蟹を突く
  船生簀這ひ出る蛸を見張りして
  天麩羅の熱熱を食ふ焚夜漁

地蔵盆の章
一般に地蔵盆は六道の衆生を教化し救済する仏と言われる地蔵菩薩の縁日である。著者近辺の地蔵盆は道路わきに安置されている地蔵菩薩をまつる盆行事である。
  真つ新な野良着に替へて地蔵盆

慣し笛の章
方広寺の観月句会が済んだ後、有馬朗人先生を囲む夜の管弦の芸能大会がある。その出演者が笛のリハーサル場面であろう。
  月白の控への間より慣し笛

著者の性格そのまま明るい句集である。
地元の行事に密着した句集で、句集を通して改めて地元の歴史を振り返り、仄々とした余韻を頂いた。

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