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2011年4月21日 (木)

「きたまど」第32集

宇都宮市・鹿沼市を中心に活躍している「北窓句会」の活動の模様を、K子さんから今年も合同句集「きたまど 32」という形で頂いた。きたまどは年1回の発行だから32年も発行し続けていることになり、一昨年には30周年記念特集号も発刊され、会報も今年の10月には400を迎えることになるという。会員各位のご努力と熱意には頭が下がる。深く敬意を表したい。

そして表紙の絵も毎号郷土色豊かな絵が掲載され、今回は昔懐かしい「囲炉裏」である。

32 例によって各自10句を載せ、それに一言が添えられている。俳句も素晴らしいがその一言が、たまらなく魅力的である。思わず引きずり込まれ、自分の経験と照らし合わせて読む。

巻頭エッセイはU氏の「ありのままに」と題して、子規から虚子を経て現在に及ぶ作句態度に就いて述べられているが、俳句に親しむほどにその「ありのままに」の難しさについて実感させられると述べられている。将に至言である。

「作句と選句は表芸」と言われるが、厚顔をも顧り見ず、私の好きな句を拾い上げてみる。

 

高瀬舟の舫ひは解かず松の内

 消えまじと瀬音に縋る夕河鹿

 初霜や燧ケ岳(ひうち)池塘に影正す

 寒林を抜けて歩巾の広がれり

 朝の気を裂いて雉子の声走る

 春雷のつぶやきに似てあと黙す

 手に軽き母の道行花菜径

 研ぎ上げし鎌のにびいろ黄砂降る

 小春凪波のリズムに歩を合はす

 著莪咲いて峠に残る無縁墓

 小春日や句碑巡礼のむすびの地

 しろがねの光貯へ麦の秋

 想ひ出の薄れしもありこぼれ萩

 枯れきつて戦場ヶ原風の原

 暖かや飴の中から桃太郎

 春寒や鋼光りの藍の花

 いつまでも浮きたる夕日麦の秋

花道に桜蘂降る村歌舞伎

 葉桜や万の日の斑が地を揺らす

 寒鴉着地せる時嵩高に

 街中が今輝いて楠若葉

 麦秋の輝く郷に入りけり

 生き延びて戻りし軍靴麦の秋

 鮎落ちて山容尖る簗場かな

 海女ひとり小さく沈む秋の海

 下萌に誘ふ母の車椅子

 軒燈籠きのふの妻に会ふ思ひ

 天心にひとつ小さき盆の月

 祓はれて嘶く神馬豊の秋

 夕炊ぐにごりほのぼの春の川

 独りより二人が寂し秋灯下

 まだ影を置かぬ植田の入日かな

あとがきにU氏は言う。「句会発足以来休むことなく、恙無く続けて来られましたのも皆さんのご協力があったればこそと思っています。これからも、いつまでも元気で、句会を楽しんで行って頂ければと願っています」、と。

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