東日本大震災に思う(2)
東日本大震災は、先刻承知のように、地震、津波、原発、風評の4重苦に襲われ、亡くなられた方々に対しては、衷心からご冥福をお祈りし、被災者の皆様には心よりお見舞い申し上げます。本当に我々にとっても他人事ではないという想いがひしひしと伝わってくる。
あれから1月半が経った。
その間、原発問題については、東電社長が心もとない説明をした後、余り東電からの具体的説明がなく(最近になってどうやら説明するようになったが)、その一方で原子力安全・保安院、原子力安全委員とやらが聞きなれないシーベルトなどという数字を並べたてて、心を感じさせない棒読みの状況報告を繰り返した。
私は当初、彼らがどんな関係にあるのか、どんな組織に属しているのか、脈絡なく発表される報道に途惑った。それにそもそも彼らの責任は那辺にあるのか今も知らない。
それに、素人にはあのような数字を並べられても中々事の深刻度は判らない。只、映像と他の報道を組み合わせて事の深刻さを掴み取るだけだった。あの報告の中の物理量単位は、二人のピアニスト氏の「放射線関係の物理量単位」を読んでも当該部分に就いて、表面的に理解できる程度の知識しかない。被災者は勿論だが日本中、いや世界中が見守っている中での説明であるなら、せめて日本人ぐらいには判る様な説明をしたらどうかと思った。
緊急事態時は当然ながら、対応する組織化が必要なことは論を待たないが、この問題について「復興構想会議」の一員にもなった内館牧子氏が、日経新聞の「明日への話題」欄に次のように述べている。
『私自身は政府・与党が震災関連で会議や委員会を乱立させていることが、ずっと気になっていた。今後、新たに「復興実施本部」が設立予定で、それを入れると20にもなる。まさに「雨後の筍」状態で生まれたこれらが一体何をやっているのか、どういう実績をあげているのか、指揮系統はどうなっているのか、私を含めて国民の多くはわかるまい。
「復興構想会議」はそうならないように、何をめざし、何を考え、どう動いているのかを、国民に明確に説明する必要がある。私はそう訴えた。』
全く同感であり、国民は皆そう思っている筈だ。
併せてこんな時に来年度予算案に関連し震災対策などで閣僚ポストを三つ増やす内閣法の改正案を何ら根回しもなく野党に投げかける無為無策ぶりは目に余るものがある。
| 固定リンク
« 妻籠宿 | トップページ | 遠江引佐細江の澪標 »
コメント