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2010年11月 1日 (月)

或る書店を訪ねて

過日、ある会合があって長野市へ行った。

偶々小雨模様ながら多少の時間的余裕があったので、善光寺にお参りした。善光寺に近く、嘗てなじみだった「西沢書店」が今どのようになっているか気になって、バス待ち時間内に寄ってみた。

長野市には昔、西沢書店以外に当時としては大きな書店が二つあった。
今は駅前に平安堂という大きな書店があり広い延べ面積の中に豊富な書物を並べていて、地便もあって常時多勢の人が入っている。

それだけに西沢書店のことが気になっていた。
同書店は昔のままの広さで、入口には中年の女性が店番を兼ね、客も4,5人がいるだけでひっそりとしていた(他の二店は今は消えてしまって跡形もない)。
並べられている書物の内容も昔とはがらりと変わって、専門書等は殆どなく、かつてのイメージはないが、逆にこの書店だから買えるというローカルカラーの 本が沢山あったのは救いだった。
1 その中に「信濃路 俳句の旅」(藤岡筑邨編著、ほおずき書籍)があった。

綺麗な写真がいたるところに挿入され、古い歴史と素晴らしい風物に恵まれた信州にかかわる354句を厳選して解説が加えられている。

藤岡氏によると、『古来から多くの文人墨客が信州を訪れている。
殊に自然とかかわりの深い俳句では、松尾芭蕉をはじめおびただしい数の俳人たちが、信州に来て作品を作っている。
信州は、近世では小林一茶・加舎白雄・大島蓼太などを、また近代になってからは臼田亜浪・栗生純夫・相馬遷子などの俳人を輩出し、これらの人によっても沢山の作品が詠まれている。
そんなわけで信州を詠んだ俳句はたいへんな数にのぼる。今回は信州全般にわたることと、自然・生活・行事など様々な句を収めるように努めた。また、著名な俳人ばかいでなく、信州を生活の基盤にしている人たちの作品もできるだけ沢山載せた。云々。』と、ある。

藤岡氏も言うように、信州の旅に携行して旅情を更に深めたり、吟行の参考にするなりの楽しみ方もあるが、何より信州の雰囲気にどっぷりつかり楽しむ本だ。

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コメント

西沢書店の現況を知り、感無量。 幼い時に母の背に負われて店の前を通ったこと。 少年期の思い出。 長野の西沢書店に相当する松本の鶴林堂も廃業し、そこの長男である友人が建物を市に寄贈したことと想い合わせて歳月の厳しさを・・。前に藤沢周平の一茶の記事を拝読した時に連想したミュラーの詩、特に、soll ich mit dir gehen の部分が胸に迫り来る。シューベルトは、あの若さで現在の私の老境の心情を理解し謳いあげたのは、天才とは凄いなあと思います。

投稿: 変人キャズ | 2010年11月 6日 (土) 03時34分

あれから何十年か経った西沢書店を訪れ、今昔の感をしみじみと感じたものでした。

投稿: Alps | 2010年11月 8日 (月) 21時09分

いい本見つけましたね。いつかまた見せてください。この頃本屋にもなかな行けず,寂しいです。
 もっともこの頃の大型書店もいいのですが、ちょっとつかれます。駅の谷島屋は喫茶店があるので一休みに、いいのですが。
 矢張り大きくもない古本屋がいいですね。ぶらぶら見ていると、書棚から呼びかけてくる本があったりして。そんな本に惑わされ、買い込んだ本に困っています。残された子供も困るだろうから
処分しておいてやりたいとは、思うんですが。
                 愃平 

投稿: 愃平  | 2010年11月21日 (日) 18時54分

愃平さま、お久しぶりです。
浜松でもテクノロードなどを見ていると、世の中の栄枯盛衰の縮図を見る感じがします。長野市も駅から善光寺にいたる、通称中央通りの変化も世の中の変遷を如実に表しています。
特に昔の思い出の籠もる書店の変遷は色々のことを思い出させて時にメランコリックになったりするから不思議です。
お説のとおり、買わないようにと思ってもいつの間にか足元に押し寄せてくる書物は問題で、整理して片付けるのにも、手間がかかり難問です。

投稿: Alps | 2010年11月22日 (月) 09時54分

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