トヨタ博物館
11月18日、Y社のG会の秋季旅行でトヨタ博物館ほか2ケ所の秋を楽しんだ。
トヨタ博物館は、名古屋市近郊の愛知県愛知郡長久手町にある自動車に関する博物館で1989年(H1年)に、トヨタ自動車(株)創立50周年記念事業の一環として建設された。
資料に拠ると、『本博物館は、トヨタ自動車の運営であるが、ガソリン自動車誕生から約100年間の自動車の歴史をテーマに、トヨタ車だけでなく19世紀末から20世紀にかけて製造された各国、各メーカーの自動車が体系的に展示されている。第二次世界大戦後に製造された外国車は、スペースの関係で原則として常設展示されていないが、特別展の場合は展示されることもある。』
展示されている車は100余台、何れの車にも興味は尽きないが以下、数例を挙げる。(写真は何れもクリックで拡大します)
上の写真左から、
・1886年、ベンツ パテント モトールヴァーゲンのレプリカ。ガソリン自動車第1号と言われる三輪車。棒ハンドルで前輪を操向し、時速15Kmが可能だった。
・1897年、オールズモビル カーブドダッシュ。
・1902年、キャデラック モデルA。精密技術の権威ヘンリー・M・リーランドが設立したキャデラック社の最初の製品。部品の精度が高く互換性があり当時としては画期的だった。
上の写真左から、
・1936年、トヨダAA型のレプリカ。1936年に発表されたトヨタ初の乗用車。写真の車は、トヨタ自動車(株)の創立50周年を機に当時の図面をもとに、エンジンまで含めて当時の姿に復元されたもの。
・1964年、トヨペット コロナ RT40型。技術レベルを一気に国際水準まで高めた意欲作。開通直後の名神高速で10万キロ連続走行を行うなどハイウェイ時代をイメージする販売戦略を展開して成功した。
・1963年、ダットサン ブルーバードP312型。ダットサンの堅牢さに加えて、多くの新技術とエレガントなスタイルを採用。世界初の女性仕様車など充実したラインナップで小型市場を席巻した。
上の写真左から、
・1968年、トヨタ2000GT MF10型。当時の技術の粋を集め、ヤマハ発動機(株)の協力を得て開発された高性能スポーツカー。発表に先駆けて行われた連続高速耐久走行で、3つの世界記録と13の国際記録を樹立した。
・1963年、ダットサン フェアレディーSP310型。ブルーバードのシャシーにセドリック1500ccエンジンを搭載した国産初の量産スポーツカー。第1回日本グランプリでは欧州製スポーツカーを下して優勝した。
・1969年、マツダ コスモスポーツL10B型。日本発のロータリエンジン車。世界では本家のNSUに次ぐ2番目。未来的なスタイル。レシプロエンジンの2リッタークラスを凌ぐ高出力で注目された。
展示車を見ていると各社の歴史が髣髴と浮かんでくる。
BC戦争などといわれたブルーバードとコロナの熾烈な企業競争。
世界で始めてロータリーエンジン技術を確立したマツダの生産技術力。
オートバイ メーカーながら、トヨタ2000GTによって、4輪自動車への進出がいつでも可能であることを示した、ヤマハ発動機の技術力。
未来自動車の姿を先取りした予想自動車模型。
今では全く姿を消した観音開きドアー車、 等々。
リーマン ショック以来、自動車業界も過去の実績だけを誇示する状態ではなくなってきた上に、電気自動車の出現等々の技術革新が進行してきて予断の許されない状況下にあるが、それにしても、これほどの博物館を持つトヨタ自動車(株)の力を改めて垣間見る思いがする。
技術者にとって興味は尽きないが、再度訪問する機会を持ちたい。
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