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2009年12月 9日 (水)

雪降るばかり

俳人協会・俳句文学館発行、平成21年師走の俳句カレンダーに岡田日郎氏の一句が掲載されている。
鈴木久美子氏の解説がある。

雪の上雪降るばかり山夜明  岡田日郎

 『夜明けに降る雪は積もりやすい。山の夜明けであればなおのこと、真っ白な雪が見る見る積もっていく。正に雪の上には、雪降るばかり。その雪の中に辺りの物音が吸収されていく静けさ。聞こえるのは、雪に雪降る幽かな音と作者の息遣いのみか。美しく清らかな景が、読み手の眼前に広がる。 自然の為せる業は人知の及ぶところではない。人は自然の中に身を委ね、それを受け入れる。作者は受け入れるのみに留まらず、完全に自然と一体化しているのではあるまいか。掲句にはそのような作者の心の有りようが示されているように思う。
 日頃から、「徹底写生」と「雪月花汎論」の二つの柱を眼目として提唱しておられる作者。掲句は、両論の実現の一句といっても過言ではない。
 「雪の上雪降るばかり」という現前の景は、同時に作者の心象風景であるともいえよう。徹底写生の行く手にこそ、美しい抒情があるということを教えてくれる一句である。
 句集『瑞雲』所収。平成17年作。(鈴木久美子)』

掲句からは雪の降る音が聞こえてくるようだ。
四方を山に囲まれた信州に生まれ育った私にとっては、雪景色は懐かしく又、雪のない師走や正月などは考えられなかった。
俳句の季語に「雪女」があるが、信州に居た時は実感があった。母が語り部となって話してくれた幼かった頃の事が思い起こされる。

昨日は12月8日。開戦日である。今は戦争のあったことを知らない若者が多くなったと聞く。雪国育ちの私は、雪と併せて、あの日のことを昨日のことのように思い出す。

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