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2009年7月11日 (土)

或る絵画展

7月7日は七夕の日。偶々何年振りかに、上田市郊外は青木村の大法寺を訪れた。此処には国宝の三重の塔(見返りの塔と呼ばれる)がある。
090707
写真のように上品で美しい輪郭を持った塔で、鎌倉時代末期の創建と言われる。同じ様式の塔は奈良興福寺の三重の塔がある。

三重の塔の美しさに見とれた後、其の寺の入口にある青木村郷土美術館に寄った。
実は此処に美術館のある事を今まで知らなかった。それほどこじんまりとしていて、訪れる人も少ないのであろう。この日も其処の入口に立ったら、係員が灯を点してくれたので始めて開館していることを知った。

我が家秘蔵の、私が愛する絵画展」と横書きした紙が張られていた。
入ってみて何故こんな田舎に、こんな書があるのか驚いた。と言うのは、歴史上でも知られている、尾崎行雄と犬養毅の書が飾られていたからである。Photo_2 
尾崎咢堂行雄の書
Photo_3
犬養木堂毅の書

両者とも広く知られた政治家で多言を要しないが、尾崎行雄は「憲政の神様」と呼ばれ、犬養毅はご存知「5・15事件」の凶弾に倒れた時の総理大臣。
この大物の書が何故この地の人が秘蔵していたのだろうか、又両者がこの地を訪れたことがあったのかどうか。詳細を聞く時間の無かったのが惜しまれる。
遥か昔の歴史が蘇ってきて、軍閥跋扈の時代の歴史と果敢に立ち向かった政治家の姿が脳裏をかすめた。

Photo_5 ついでながら此の村には、S氏という画家が住んでいる。写真は其の絵の一つである。

(尚、写真の絵の背後に幽かに残っている影は、この絵の陳列場所の反対側の壁面に飾られていた絵が、この絵の額のガラスに幽かに反映しているためである。)

他にもシャガールの絵を始め、感動的な絵画が出品されていて、この郷土美術館を訪問して良かった。限られた日数の展示であって訪れた7日がその初日であったことは真に僥倖であった。

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コメント

以前にも、浜松とか、那須塩原とかの片田舎で思いもかけなかった昔の人物がその地に立ち寄っていたことの足跡に接して感動したことがある。
しかし、青木村大法寺の三重塔は見ていたのに、その地に、そのような人物が訪れていたことは知らなかった。
昔の人は、今と違って交通の不便をものともせずに、よく歩いたものと感動する。
それとともに、この素晴らしい絵画がこの地に密かに存在していたことも・・・。
貴重な事実を教えて頂いて有難く思った。

投稿: 二人のピアニスト | 2009年7月12日 (日) 03時46分

この絵画展は、青木村と青木村教育委員会の主催で、7月7日から(13日を除いて)20日まで開催されている。
水上勉の「華燭は一日 心灯は消えず」の書や絵もあり、他に書家上條信山の漢詩の書もあり、出展数の割には充実した絵画展となっている。

この地に、尾崎行雄や犬養毅の足跡がこのような形で記されているとは思いもよらず、感動的でした。

投稿: Alps | 2009年7月12日 (日) 10時35分

うちにも犬養の書があります。
長野県東御市になります。

そして○○君へと当家の巳代治が書いてあります。

祖父の祖父の時代のものだと思いますが

すごいんでしょうか?

投稿: すぺ | 2013年5月10日 (金) 20時45分

犬養毅の書でしたら貴重な書でしょう。
それにしても当時の交通機関などを考えると東御市に、あの要職を務めた犬養毅の書のある不思議を感じます。

投稿: Alps | 2013年5月11日 (土) 10時43分

米国バッファローの田舎の小さな博物館に、殷の時代の遺物が展示してある話を思い出しました

投稿: 変人キャズ | 2013年5月19日 (日) 04時02分

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