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2009年7月25日 (土)

数字処理と現実対応

二人のピアニストさんの「日本の非理系風土」のブログ記事に触発されて1,2感じたことを述べる。

企業にとって、生産している商品にクレームが発生することは、大小の問題があるにせよ経営的には重要事項である。
例えば其の商品の生産時における不良発生率が10万分の1であったにしても、その10万分の1の不良商品を買った人からすると100%の不良である。たがが10万分の1ではないかと言うのは評論家のいう言葉である。

クレームは最大のセールス・チャンスと言った経営者が居た。良いことの報告は勿論だが悪いことの報告こそ大事であり、そのお客に真摯に対応することによって逆に、信頼を得、商機につなげることが経営につながると考える。

私もある時に、E商品にクレームが発生した時に、担当営業者と品質管理課長と共にお宅へ伺ったことがある。状況から予想される不良内容を考え、予想されるユニット部品を携行していたので、その場で交換をして正常に機能することが出来た。このお客さまは最高級のE商品を2台お持ちだったが、更に新しいモデルを買い足して頂いた経験がある。こちらの対応の速さと誠意を認めて頂いた結果で、クレーム発生を逆に商機に結びつけた例と考えている。

全く別な話であるが、今年の1月ごろ、NHK「ためして合点」という番組で入浴時の危険性を取り上げそれに就いて医学的解析をして推薦する湯温度や状況設定に就いて説明をしたことがある。数字に就いてはうろ覚えであり、間違っていたらエクスキューズであるが、これから述べようとする本旨は間違っていない積りである。

それらの医学的解析をした上で、事故人員数と入浴温度との関係に就いて数字を挙げて説明した。それを見ていておかしいと思ったことがある。
38度くらいの温度から47度くらいの温度までを横軸にし、縦軸に事故人員を記録した棒グラフである。
今まで入浴温度は42度くらいが適温とずっと聞いていたので、その番組に出演していたゲストも、当然その温度での事故は少ないものと考えていた。しかしグラフは42度の人員が圧倒的に多く47度の人員が一番少ないことを示していたので、ゲストも一様に驚いていた。
大体47度などと言う高温に入る人がいるのかと耳を疑ったがグラフで見る限りではそのような人がいるのは確かのように思えた。

「それだけ見たら47度で入浴する方が42度で入浴するより安全であるかのごとき錯覚に陥ってしまう」と言ったら、そんな馬鹿なことはない。ただ42度で入浴しているのが一番安全だと妄信しないように喚起を促すためにそのような表現をしたまでの事と言われるかも知れない。
しかし、この説明で決定的に欠けていたのは、42度で入浴する人員数と、47度などと言う高温で入浴する人員数が夫々何人いて、其の夫々の人員で温度別夫々の事故人員を割ってみたら全く違う結果が出ることは前記のように42度が最適と考えている人が圧倒的に多いことから容易に予想される。
何故こんな説明をしたのか、数字の扱いを間違えたら全く違う結果が出るし、それを不審と思わない人が多ければ多いほど、間違った対応をする危険性がある。「非理系風土」と言われると極めて不安を感じる。

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