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2009年5月 4日 (月)

合同句集「きたまど」

鹿沼市在住のK子さんと出会ったのは、北海道の旭岳へ行った時。それ以後のお付き合いになり、毎年合同句集「きたまど」を送って頂いている。

今年も合同句集「きたまど30周年記念特集号」が送られてきた。「継続は力」とは言え、30年間も詠み続け、作り続けてきたご努力に敬意を表したい。

30_3  巻頭言でT氏は「二句一章と一句一章」に就いて触れている。
『ご自身の作「笈摺の朱印ひしめく青葉寺」を例にとって、下5を「青葉寺」でよかったのか「青葉光」のほうがよかったのかなどの迷いが今に残る。ただこれは取り合わせの妙を求める二句一章の宿命的な問題であろう。神ならぬ身の、最高の取り合わせは分かり得ないからである。…私だけかも知れないが、二句一章の句は何カ月か経って見直すと反省することがままあるが、一句一章の句には比較的飽きがこないように思う。…』と書き記している。

またM氏は「30年の歩み」について、
『昭和54年(1979年)発刊の第1集の跋文で
  三椏に小枝孫枝若葉立つ
の作者先生は「俳句は昔から座の文芸といわれている。選という形で相互に干渉し評価しあう存在が不可欠である」と述べられていると書き記し、「きたまど」も今年で31年目を迎え、”小枝・孫枝”の道程を辿りながら”若葉立つ”目標に向かって歩み続けているのが現状であるのだろうか。』と書いている。

掲載されている25人の句から私の好きな句を取り上げて見る。
「作句と選句は表芸、評句は裏芸」と言われ、選句は中々難かしいが、いづれにしても取り上げる人の体験や経緯が反映されるのは当然のこととお許しを得て、且つ選句と好きな句を選ぶのは別と割り切って取り上げる。
  菜の花や崩れ山家に石の蔵
  鳥帰る寡黙の父に常備薬
  ぜんまいの拳の向きのそれぞれに
  薫風や大の字に寝る河川敷
  濯ぎ場は宿場の名残月見草
  烏賊を干す佐渡の媼の京言葉
  初茶の湯膝おくりては膝正し
  色変へぬ松天領の船着場
  下北は晴れてからから風車
  志功流観音権化夕桜
  住み慣れし家に別れの落葉焚
  朴の葉の散り尽くしたる空のあり
  梅雨深し一灯点る大師堂
  手がかりを少し明けをく春障子
  春愁や結ぶに長き靴の紐
  しんしんと冬木の奥の平家塚
  境涯の山里暮らし草の花
  石蕗の花八雲遺愛の高机
  坂多き街の教会雪の花
  たはむれにやがて一心に雪を掻く
  誰かれにほほゑむあかご花菜風
  大冬木幹に噴き出す力瘤
  卒業を繰り上げ征きて還らざる
  凝視する浮子の動きや夏帽子
  征きし日も還らざる日もカンナ燃ゆ

記念特集号とあって、今度の句集では各自15句が投句されている。それに添えられている寸言が夫々の一年間の暮らしや動きや想いが籠もっていて参考になった。
地域賛歌、海外旅行、国内旅行、中には89歳になるばあばの感想等々読んでいて楽しくなる感想が多く、明るい読後感を頂きました。

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