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2008年11月10日 (月)

石蕗の花

   日本に帰りて石蕗の日向あり   

俳人協会・俳句文学館発行、平成20年11月カレンダー所載句である。
作者は大峯あきら氏で、山本洋子氏の解説がある。

『ドイツの長旅から帰った作者の前に、石蕗の花の咲く日向がある。その沈潜した黄色は、よその国にはないものだ。それは、母国に帰ってきた、という実感とともに、冬のはじめに開く石蕗の花の、人の心の奥深くを照らすような不思議な花明かりを前にする作者の姿を浮かび上がらせる。
 一雲もなきミュンヘンの空が好き〉。平成15年、訪独一連の句がある。この時、長年の友人ヘンリッヒ教授の自宅を訪れている。
 〈繚乱の千草に君が門はあり〉。彼が、チューリンゲンにある詩人ヘルダーリンの墓から移植した樫を詠んだ〈樫の苗つきたる秋の館かな〉もある。
若い頃の留学の地ドイツは、作者にとっていつも懐かしい地なのであろう。Img_5289_2 帰国してまず出合ったのが、菊のような華やかな花ではなくて、庭の隅にしずかに咲く石蕗の花であったのは偶然であったかもしれない。しかしその花との出合いが、作者にとって詩的必然であったことが分かる。この句の「石蕗の花」は、他の花と変えることはできない。(山本洋子)』

作者大峯あきら(本名:顕)氏は、昭和4年(1929)生まれ。中期フィヒテ研究、西田幾多郎研究者として知られる哲学者であり、大阪大学名誉教授でもある。
  若き日の母の思ひ出漱石忌
  村々につちふつてゐる大和かな
等の作もある。

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