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2008年8月 6日 (水)

合同句集「初生」

今年も亦、合同句集「初生第九集」を頂いた。

句集は、浜松市の初生町周辺在住の有志俳人20余名から成る初生句会メンバーが、夫々一年間の労作から各20句を選び、それに一言づつ想いを載せている。俳句も夫々の個性が出ていて素晴らしいが、想いも又素晴らしい。9_2

感想文の最初に、初生句会誕生に絡む回想と、発会当時のご苦心が述べられ、更に当時の感動的な句が紹介されていて胸を打つ。

各自の感想文の中には、この1年間の身ほとりに起こった出来事を取り上げ、夫々の悲喜交々の感想が述べられ、懸命に生きている姿が浮き彫りにされ、感動的であり親近感が一層強くなる。

その中から主宰の数句と、各自20投句の内から主宰が選んだ「今年の一句」を取り上げる。

   鳥渡る奥日光の空を狭(せ)に
   女峰より男体かけて秋の雲
   秋尽くる日や迅雷の立てつづけ
   ひよんどりの里の山枯れ極まれり
   冬といふ字に贅肉のなかりけり
   冬籠り化石になってしまひけり
 今年の一句
   黒文字の花や備前の大き甕
   急ぐ水急がぬ水も澄めりけり
   白足袋の留め金光る寒稽古
   風鈴の短冊代へて我が一句
   牡蠣割女年功序列に座り居り
   満天も三尺花火には狭し
   蓮枯るることにも力要ることよ
   大伯父は一族の長根榾燃ゆ
   張りつめし弦の切れたり木下闇
   駒草や御影石なる蓮華岳
   行き帰り寒鮒釣りの同じ顔
   病棟の窓より見上ぐ雪の峰
   父も子も笛の座継ぎぬ里神楽
   泥と髭つけ海老芋届きをり
   緑蔭や真西向きたる多賀城碑
   墨の香や記帳の席の梅真白
   父逝きて一輪返り咲くあやめ
   山峡に柿色の灯や雪の降る
   初蝉や発声練習あああああ
   充分に寝足る勤労感謝の日
   更衣飾り釦を変へてみし

今日8月6日は「広島原爆の日」。人類に対する初めての核兵器の使用であり、非戦闘員を含めた無差別殺戮であった。現在も多くの被爆者が放射能の後遺症に悩まされている。
このような犠牲の上に今の繁栄が築かれていることを忘れる事は出来ない。
そして俳句を楽しむ事の出来る幸せをしみじみと思う。

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