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2008年4月 4日 (金)

合同句集「きたまど」

今年も鹿沼市在住のK子さんから合同句集「きたまど」が送られてきた。回を重ねて第29集となり今年30周年を迎える。継続は力と言うが、このようなご努力に敬意を表したい。

1 きたまどのメンバーは宇都宮市、鹿沼市在住の20余名の有志で超結社の集いである。何時ものように選者T氏の巻頭言が掲載されている。「句作り雑感」として作句上の注意が平明に述べられている。その結言に「俳句の評価は、材料構成表現の相乗積によって決まる。どれか一つがゼロに近ければその相乗積はゼロに近くなってしまう」と述べている。

各自夫々10句と、それに添えられた寸言が又良い。野仏の修那羅峠の雪解道で見た金縷梅(まんさく)のことも書かれているが、此処は私も何回か訪れた所なので印象深い。こだわりの俳句作りに就いて書かれているのも参考になる。日本語の魅力に就いての実感は頷ける。一茶の句の新鮮味と伝達力を取り上げ「景七情三」との論は共鳴する。夫々の来し方との関係も想われて興味深い。

此処で私の好きな句を取り上げてみる。
   反芻の垂涎ひかる余寒かな
   海峡の潮目一すぢ鳥帰る
   陪塚の百間に侍し下萌ゆる
   襖閉づ闇に雛の息のこし
   沢桔梗ケルンに小石一つ足す
   ひとり居や春爛漫といふ愁ひ
   共にゐて刻それぞれの夜長かな
   木枯しや解体ビルの骨あらは
   望楼の歩哨に立ちし十三夜
   無医村に若き医師来る雁の頃
   駆くる児の髪亜麻色に風光る
   涼しさや雲の下り来る南谷
   合歓の花明日の私に合ひにゆく
   足遠くなりし浅草傘雨の忌
   バス停に風の集まる二月かな
   菊花展賞なき鉢も咲き誇る
   秋の蝶米粒ほどの花に拠る
   海鳴りや首折れ易き野水仙
   草丈の高さに睦み秋の蝶
   白山茶花秘密のやうに一つだけ  
   屋根よりも高き堤防鳥帰る
   木枯やサントワマミー着信音
   ていねいに髪梳く勤労感謝の日
   鶏頭の暮れ赤しとも黒しとも
   更衣母の箪笥に母のもの
   秋蝶の暮れてなほ飛ぶ畦づたひ
   教へ子もすでに還暦鳥雲に
   竹林の秀のさわさわと風光る
   凍星や男鹿の荒磯の濤こだま

非日常の景に触れることで自らの創作活動を自覚し、自らの感性を磨き上げてきた事を改めて感じる。

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