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2008年4月 7日 (月)

都田の桜並木

政令指定都市前の浜松市北部(現北区)に東西10Km、南北15Kmにわたる三方原台地が広がっている。三方原合戦の古戦場としても知られ、今はその北端には広大な浜松テクノポリスがあり又、台地の一角には航空自衛隊や靜岡大学のキャンパスもある。
今頃の季節にはよく黄砂の降ることがあり、台地の北部は全体が霞んで見えることもあるが、今年は去年ほど酷い黄砂は今のところ観察されていない。

三方原台地は戦後、国の施策もあって農業開拓者を募集し極低価格(今から考えると只同然の価格と古老は言う)で土地を提供し今は立派な農地が広がっており、此処で採れるジャガイモ、苺、大根、日本茶、梨等の農産物は味の良いことで知られている。

台地北端にあるテクノポリスに程近い所に都田地区がある。その地区の都田南小学校の西側に立派な桜並木がある。
Photo
この桜は開拓農民が五十年前に入植した時に記念に植えた桜で、一軒一軒がそれぞれ大事に育ててきたものが今は立派な桜トンネルとなっている。
この地を訪れる人たちの中で心ある人たちは、当時苦労した人たちの想いがこの桜の樹に籠っている事を知っている。

ところがこの桜通りを拡張する為に、この桜が取り払われる事になったという。
この道路の僅か西側に平行して通称テクノ道路と言われる道路が走っている。浜松テクノポリスへ通じる中央分離帯があり、片側2車線の立派な道路である。
客観的にみてこの桜通りを、何故市が今の段階で拡張しようとするのかわからない
噂で聞いた事で定かではないが、当時苦労した老人たちはこの拡張には反対しているが2世達の一部は賛成しているとも聞く。

私はこの土地の人と語った事もないのでわからないが、桜には毛虫が発生することも考えられるし、樹自体は各家の敷地の中にあってそれだけ敷地が狭められているのも確かだし、樹自体が老木化している事も確かだ。小学校が近くにあるから児童等の通学上の交通安全ということも考えられる。だから桜を撤去して拡幅すれば維持管理の手間が省け、はっきりとした歩道を設ける事も考えられる。

しかし、この桜並木を訪れて心和む人も大勢居るのも確かだし、それ以上にこの桜に、苦労した嘗ての開拓当時の自分をラップさせて、年々歳々咲く花を見つめ続けてきた人たちの想いを考える時、この桜並木存続の為の何らかの手段は考えられなかったものだろうか。

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コメント

ほんとうにこの桜は毎年楽しみにしていました。定年を迎えもうこの桜は最後だと思っていました。切ってしまうとは、後にばちがあたらねければいいのですが

投稿: Jorge | 2015年5月13日 (水) 15時59分

地元のご事情もあろうかと思うが、先人たちのことに思いを致すと複雑な感じです。

投稿: Alps | 2015年5月22日 (金) 09時12分

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受信: 2008年4月 8日 (火) 04時31分

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