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2008年1月 3日 (木)

初電車

  初電車待つといつもの位置に立つ

 俳人協会・俳句文学館発行、平成20年1月俳句カレンダー所載句である。作者は岡本 眸氏で、高橋 さえ子氏の解説がある。

 2001_3
『第十句集の中の一句。
 第四十一回蛇笏賞受賞句集『午後の椅子』に所収されている作品。日常身辺からこそ豊かな詩が生まれると考え、実証したのがこの句集である。
 自宅に近い東京、葛飾の金町駅のホーム。いつもと同じ場所に立ち、新年に初めて乗る電車を待っている。こんな誰もが経験する日常が詩となり、人の心をとらえると感じる人はごく少数ではないか。その点でも新しい視点であったと思う。
 この句、〈初電車〉をそれらしく詠もうと身構えたりしていない。それが音読したときの調べの良さに表れている。平常心で対象を温かく受けとめているのである。これも作者の人生観につながるのだろう。
 〈初電車〉の先には未知の一年がある。新年という節目の時も、立つ位置は常と変わらない。静かに足元を見つめて、心深く映じたことを忠実に言葉に移し、詩に昇華する。そのためにも季節を介し日常を深く深く掘り下げる。いつも前向きを信条に「俳句で日記」を実践した句であるといえる。
  (高橋さえ子)』

年末といっても、新年といっても、時の流れの中のある時期にしか過ぎない。その流れを、一年を一つの節目として区切り、来し方を振り返り行く末を考える機会として考えたのは蓋し人間の智恵であろう。
そんな新年には、未知の世界の広がる期待感があり、人々は清々しい気分で新年を迎える。健康であれば尚の事。初明り、初茜、初日、初御空、初山河、初景色、初富士、初詣、初神楽、初夢、初硯等々、全て清々しさが滲んでいる言葉である。

目に映ったものに、触れたものに、聞いたものに…心が動かされたら、それを素直に表現できれば新しい自分の世界が開ける。

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