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2007年11月 5日 (月)

侠気

   曾て男に侠気のありし時雨かな

俳人協会・俳句文学館発行、平成19年11月俳句カレンダーの掲載句。
作者は山上樹実雄氏で、井出千ニ氏の解説文がある。

『平成十一年作。『四時抄』所収。侠気とは広辞苑によれば「強きをくじき弱きを助けること。おとこぎ」とある。遠く史記刺客伝に溯るまでもなく、我が国でも侠気は男子たるものに要求される最高の資質であった。それは武士階級に限られたものではなく、広く市井の町人社会にも及んでいたことは、侠客などという言葉が残っていることでも明らかである。
 人間の日々の営みを、崇高で意義あるものとしたこの美徳が、何時の間にか周囲から姿を消してしまったことを作者は深く憂い、その心情を、人生の逆旅と見る中世の無常感を帯びた「時雨」という季語に托したのである。
 風化する社会に対する感懐を表した句であるが、筆者は、作者が生涯の師として仰いだ山口草堂こそ、この「侠気のひと」と言えるのではないかという思いの湧くのを禁じ得ないのである。(井出千二) 』

最近、俳句界でもこのような骨太の句が鳴りを潜めているのが多少気がかりな現象である。

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