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2007年8月16日 (木)

大文字

8月16日、NHK TVの午後7時30分から8時45分にかけて「京都五山の送り火」の実況放映があった。
私は今まで物の本やネット等であらましは承知していたが、実景を見たこともないし、見ようともしなかった。それには理由があるが後に記すとして、今日の放映は複雑な気持で見た。

大文字」は、秋の季語になっていて、角川俳句大歳時記に依ると次のように書かれている。

『8月16日の夜、京都東山の一峰如意ケ岳(大文字山)山腹に設けた、大の字に形どった火床に薪を積み火を点ける、お盆の送り火の一つ。赤々と燃え上がる大の字は洛中の何処からも見える。ほぼ同時刻に松ケ崎の妙法、西賀茂の船形、衣笠大北山の左大文字、奥嵯峨の鳥居形も点火される。これらを合わせて五山の送り火と呼ぶ。大文字は「大文字の火」の略。なお京都では「大文字焼き」とはいわない。大文字が終ると京都は秋の気配が立ち始める。(大石悦子)』
Dai2002

写真はネットより引用させて頂いた、如意ケ岳の大文字の情景である。
送り火というからには当然仏教の盆行事の一環で起源等は余り明白ではないが広く知られ信仰されている。

京都大学・電気工学科4年在学中だったは、銀閣寺の傍に下宿していて其処から吉田山を望みながら毎日通学していた。私も、しばしば会社の休日等に弟を下宿に訪問した事があった。将来話し相手になってくれるで有ろう事を期待していた弟だった。
1958年の夏休み、彼は下宿先で大文字を見終わり、その夜の北陸線(当時の列車は現在から見るとがたがたのお粗末なもので、蒸気機関車で走っていた)に乗って郷里の長野へ向かう途中で思わぬ事故に遭って急逝した。以来私は京都だけは行く気にもなれず、年に10数回浜松から大阪への出張で京都を通過したがついぞ京都だけには下車しなかった。
しかし2004年にS誌の全国大会があって、それに出席したのを機会に解禁したが、其の後も行く機会を積極的には作っていない。

今日改めてNHK TVの実況放映に依って、その全容を垣間見ると共に、五山の送り火に手を合わせ祖先の霊を見送る敬虔な風景は日本的な麗しい情景と思った。最近は兎角実利に走り、自分本位の言動が目立つ中で、このような情緒ある祭事がいかに人の心に潤いを持たせてくれるものであるかを知ると共に、今後も絶やすことなく続けていって欲しいものだ。

放映を見ながら改めて、弟のことをしみじみと思い出していた。

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