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2007年4月 9日 (月)

合同句集「きたまど」

毎年今頃になると合同句集「きたまど」がK子さんから送られてくる。
今年は第28号になる。今年も亦、選者までいれて23名の合同句集となる。
継続は力」とは言え、28年も続けるのは容易な事ではない。関係者の協力は勿論ながら選句・編集・校正・製本等に当たられた人の努力は大変だったであろう。
きたまど句会は、宇都宮市、鹿沼市在住の有志俳人が夫々の一年間の労作から各10句を選び、それに一言づつ夫々の想いを載せているのが特徴で、俳句も素晴らしいが綴った想いが又素晴らしい。
28
選者であるT氏は、俳句における取り合わせの妙について芭蕉や子規の言葉や注釈を引いて解説を試みていて判りやすい。

又、本合同句集の作者達の夫々の一言にも、想いが籠もっていて興味深い。例えば、
俳句は作者の手を離れると、もう読み方のものとなる。17文字に秘める想いを1字たりともおろそかに出来ない事を訴え、対象と真剣に向き合っているうちに対象が訴えかけてくるものを感じ取るようになってくると言う。
奥の細道を辿る旅を続けたり、おわら風の盆に魅了されたり、故郷の川に自然が戻りつつある事に感激したり、各地の旅行記や、K子さんのように今も(俳句とは直接関係のない人とも一緒に)歩き回って楽しみながら俳句を作る人も居れば、地球温暖化と自然のありように就いて一石を投じる人も居る。或いは水原秋桜子に学んだ大島民郎氏が言う、「平明・感動・省略」を作句3ケ条として句作の原点として書いている人も居る。

句集の中から好きな句を拾ってみる。
   堂ふかく忿怒の皓歯冴返る
   源泉の噴気を掠めほととぎす
   蕎麦咲くや生絹の波の三段歩
   短日や栞をはさむ文庫本
   天高し掴まり立ちの二歩三歩
   山葵田や流るるごとく蟹歩む
   安達太良山(あだたら)の化粧直しの春の雪
   桃活けて伊達の城下の京染屋
   母生きてあらば百歳桃の花
   小走りの巫女の目礼秋凉し
   襖絵の少しゆがめる梅雨館
   お点前で締めくくりたる女正月
   山鳩の羽摶ちたしかに森九月
   眉月に色の帯びくる二日かな
   自動ドア出で凩の張り手くふ
   聖樹の灯とどかぬ側に易者の灯

K子さんとは、2003年7月2日北海道の旭岳で会った。ロープウェーを降りて山路を句友と歩いていた時に、同じ道を一人で歩いていた彼女に出会い話しかけたのが縁で一緒に歩いた。彼女はあちこちの山を歩いていると言う。私達の仲間の中に多少脚の遅い人が居るのを気遣って、健脚である彼女は常に殿を歩いていたのが今も印象に残る。

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