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2007年2月 5日 (月)

句集「遠望」

最近頂いた句集の中で、青木華都子さんの第二句集である「遠望」は特に感銘深かった。
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俳誌「白魚火(しらをび)」副主宰としての青木さんしか知らなかった私だが、白魚火主宰が同句集に寄せられた序文に依ると、青木さんは、船田中元衆議院議長を祖父に持つ血統で、白魚火副主宰として活躍する一方で、栃木県日韓女性親善協会を設立し会長として現在に到り、年2回以上訪韓される等々の紹介があり、エネルギッシュにアクティブに活動されている姿が目に浮かぶ。
   ハングル語すらすら話し小六月
   膝立つることが正座や凉しかり
   ハングルの分厚き辞書や花疲
女性とは思われない逞しさを感じる。

句集は青胡桃・酔芙容・山法師・南京櫨の各章からなり、各章は平成10年から17年にかけて殆ど年代順に並べられている。
   目秤で分けて糶らるる初鰹
   サーファーに次来る波も男波
   稲光夜空に罅の入りけり
   下枝は少し遅れて橡の花
   春耕の土裏返すたび匂ふ
等には実感がこもる。
   父のなき父の書斎の梅ひらく
   着膨れてゐても小さくなりし母
には親子の情愛をそこはかとなく感じ取れる。
   磐梯は女体や雪を薄く被て
   男体山襞くっきりと牧開き
   しらしらと明けて男体山に雪
山を見て育った私には山を詠った句が懐かしい。
   十薬や寺に表と裏鬼門
   定刻に届く夕刊酔芙容
   山法師咲くや医学部文学部
   指櫛で梳く山霧に濡れし髪
   もみぢせる南京櫨といふよき名
   結ばずに包む風呂敷さくら餅
等には何でもなく詠んだ句の裏に作者の顔が見えるようだ。
そして締めくくりは、
   味噌樽の箍締め直す十二月
爽やかな読後感を頂いた。

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コメント

 アルプスさんの調子がではじめましたね、信州うまれ
は春になると花は咲き、雪解け水の奔流ありと動きが活発になる?
 華都子さんの船田中の孫娘には驚きました。田中真紀子さんと同じように、驚くべき行動力の背景に、大政治家の一族の血の流れもあるんでしょうね。
 

投稿: 尚童 | 2007年2月 7日 (水) 20時22分

DNAは争えないもの。歯切れが良く、美貌で、行動派だから鬼に金棒。句もひたひたと胸を打つ。ご本人のご努力あってのことながら、こんな句が作れること自体が素晴らしい。

投稿: Alps | 2007年2月 7日 (水) 21時58分

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