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2006年10月 9日 (月)

花沢の里

過日、友人ご夫妻と、或るご縁で焼津(やいづ)の知人を訪ねた。

焼津と聞いて先ず思い浮かべるのは遠洋漁業の基地としての焼津であるが、多少歴史に興味のある人は、日本武尊(やまとたけるのみこと)や天叢雲剣(あまのむらくものつるぎ)に思い到る人もいる筈である。

その焼津の北部に万葉集にも詠まれ、東海道最古の「やきつべの小径」がある。奈良・平安時代に栄えたこの街道筋には、長屋門造りの美しい家並みを今に残している「花沢の里」集落がある。
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傍には小流れがあり、嘗ての水車小屋は今は動いていないが、ぼっとりはそのままの姿で残されている。
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長屋門は美しい均整のとれた風情を醸し出している。燕の去った門の天井には幾つもの巣がそのままの姿で残されている。来年は又今年巣作りをした燕が戻ってくるのであろう。
Yaidu_9家人も来年を楽しみにしているYaidu_8 感がある。
家の入口には魔よけの護符を貼っている家が多い。この風習もこの集落独特のものであろう。
長屋門の脇には、この土地で採れた農産物を無人で売っている。買いたい人は勝手にそこにおいてある箱の中へ決められたお金を放り込んで品物を持っていくという仕組みである。
小径に沿って、一部に建仁寺垣が美しい調和を見せている。
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この小径を上ってゆくと、高草山法華寺がある。その周囲を含めて彼岸花が咲き乱れている。丁度日本武尊が敵の火攻めから草を薙ぎ倒して難を逃れた故事を連想させる。
    やきつべの戎の火とも曼珠沙華  堀井瓜紅
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焼津港では丁度、港祭りで賑わっていた。
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このような農耕作業用道具が無造作に置かれているのもこの地の風物詩だ。
    里人の言葉飾らずこぼれ萩
         花沢の里いづ方も秋のこゑ  

焼津市の一角に、このような美しい家並みが残っている事を俳人たちはよく知っていて、吟行に訪れる人が多いと聞く。
10人来れば10人、100人来れば100人夫々に切り取る景も違うし、同じ景を切り取っても表現や深味も違うし、吟行後の句会は又一つの楽しみでもある。
彼らもまた土地の雰囲気を壊さないように気を使っているのがよく判る。

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