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2006年9月22日 (金)

浜松からオートバイが姿を消す

浜松は、ピアノとオートバイで世界にその名を馳せている。

しかしそのピアノが浜松から姿を消すことについて、2005年11月に書いた。

そして今、オートバイが、浜松の最後の拠点だったホンダ浜松製作所から、その生産機能を熊本に移すことになった。
これに先立ってスズキは既に愛知県の豊川市に、ヤマハ発動機は磐田市に生産拠点を移している。従って今度のホンダの生産機能移行に伴って三大メーカーを生んだ浜松から、オートバイの完成品生産拠点が完全に消えることになる

ホンダは本田宗一郎氏が1948年に浜松で創業した。「ホンダ発祥の地でオートバイ工場があるのは浜松の一つのシンボル」だった。企業の経営効率から生産拠点が移行したからと言って、オートバイがなくなるわけではないが、同社の従業員や下請け企業を含め、地元に与える経済的な影響と、「オートバイの故郷は名前だけになる」と移転を惜しむ声が上がっている。
ホンダOB会ウォーキング・クラブの面々が20日、浜松の佐鳴湖一周をした時にもこの話で持ちきりだったと言う。時代の趨勢とは言え、浜松市民としては複雑な心境である。

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2006年9月21日 (木)

卒寿翁の句集「晩学抄」

最近身近な俳人から句集を頂く機会が多くなった。その中で出色な句集は、卒寿にして、なお矍鑠として後輩の指導をされている「野原春醪氏」から頂いた句集「晩学抄」であろう。

氏は大正3年2月の生まれと言うから92歳を既に越している。「馬酔木」及び「海坂」の各同人で、俳人協会会員でもある氏のこの句集は、「龍膽抄」「裏伊吹」「春日」に続く、第4句集になる。「十年ごとに句集を上木することが老生の楽しみ」という氏の、本句集は流石に枯れた人生観に満ちている。
Bangakusyou

句集の名前「晩学抄」は、
  晩学に励まむ畳替へにけり
からきているのではないかと思う。句集は春、夏、秋、冬、新年の5分類に整理されているが、ランダムに目についた句を拾ってみると
  耳遠くなって涼しき余生かな
  七十の吾子と鮎釣る昼餉酒
  万緑や卒寿肺活量参千 (筆者註:まるで怪物)
  とろろ飯再度所望の卒寿翁
  つつがなく生きて卒寿の盆用意
  冬耕の吾が影深く起しけり
  養生訓読んで風邪寝の卒寿翁
  年酒酌む卒寿米寿の兄弟
  賜りぬ九十歳の初手水
  百歳まで生きむ柚子湯を浴びにけり
等の句からは氏の元気さが伝わってくるし、逆に元気を頂く。
  帰郷子に持たす草餅搗きにけり
  かなかなや母の手紙の仮名綴り
  母の忌のはらから集ふ落葉焚
等には親子の情がそこはかとなく浮かぶ。矢張り長寿を全うする人は一人で成されるものではなく、ご本人のポジティブな気持と共に、支え支えられる家族家庭環境が大きな要素になっていることは間違いない。
  浜名湖の闇淡くせる夜焚舟
  姨捨の小稲架小稲架に入日燃ゆ
  蝗炒る香漂ふ妻籠宿
  戸隠の夕日に朴の実のこげて
  朴の実の真赤や鬼女の伝へ古り (鬼無里の鬼女紅葉の伝説)
  浜名湖をくらめ鴨来る澪標
等にはローカル色豊かに特色を詠っていて楽しい。

氏の生き方は将に恬淡として生を楽しんでいるように見える。句にもあるように、どうか百歳までもそれ以上もお元気で、ご活躍される事を祈念している。

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