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2006年4月 4日 (火)

蘇民将来

聖武天皇時代に発せられた国分寺創立の詔により、各地に国分寺が創立された。其の中でも信州上田の、信濃国分寺は有名で、仁王門・本堂・三重塔・鐘楼等を始め主たる建物が現存している。

Ueda_kokubunji_2 この国分寺で受ける護符の「蘇民将来」は有名である。

「蘇民将来は木製の六角又は八角で塔状をなすものや守札があり『大福長者蘇民将来子孫人也』などと記す。八坂神社末社や長野県上田市国分寺の八日堂をはじめ諸国寺院から出す」と広辞苑にはある。

Ueda_kokubunji2 蘇民将来という情深い者が、巨丹(こたん)長者に宿を断られた旅人を厚く遇し、その言葉に従い柳の木に「蘇民将来子孫人也」と書き、これを携帯し門戸に掲げて、その子々孫々が災厄を免れ繁栄したという説話による。

この旅人は薬師如来の化身である牛頭(ごず)天王であって、奈良時代からこの信仰が広く広まり、薬師如来や牛頭天王を祭った各地の社寺では「蘇民将来子孫門戸也」と書いた紙札や板のお守りなどを出されたが、現在まで伝わっているものは極めて少なく、この信濃国分寺のものが最も著名となっている。

この蘇民将来の原木はドロヤナギ(ヤマナラシ)で、この木は木目が目立たず加工しやすい事や、薬木と言われていることなどの理由で信濃国分寺ではこの木を使っている。信濃国分寺の蘇民将来は大小7種類あり、高さ3寸(約9cm)の護符は常時お参りに行ったときに受けることが出来、最大のものは正月の8日まで(受けられる人は念の為日時確認要)の参拝者に限って受けることが出来る。(蘇と蘓は同字)

Somin_syorai

今回受けてきた蘇民将来は3寸もので、嘗て京都の石塀小路を歩いた時にも、伊勢神宮の土産店街でも見かけた事がある。

各地に残るこの種の信仰は、土地人にとっては特に大切なもので、この種の信仰が気持ちの上に潤いを持たせ、祖先崇拝にも繋がっている事を見逃す事は出来ない。

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