切符の中身
上田発11時22分東京行きの長野新幹線に乗った。
金曜日の昼、大型連休も終わった後、それに長野の次の駅だから空いていると思った。然し予想外に混んでいた。
進行方向右側の席は2人掛け、左側は3人掛け。
左側の席に余裕があれば私たちは左側へ座るのが常だった。信州生まれの私は、この列車に乗る時は何時も、浅間山・佐久平や軽井沢の景を見るのが楽しみの一つだった。
左側の3人掛けの席のうちで、1人だけが座って2人分の空いている箇所が数箇所あった。そのうちの一つにすっと座った。
座ってから気が付いた。窓のブラインド(薄い布製)が下まで下ろされていた。窓際の女性は30代後半位。
声をかけた。「済みませんがブラインドを少し上げて貰えませんか」彼女が言った「私は紫外線が嫌いですから」「そうですか軽井沢まででも駄目ですか」彼女は無言。その後、彼女は東京まで眠ってしまった、いや眠った振りをしていた。
「降りるときはリクライニングを元の位置に戻すことにご協力お願いします」と何度か車内放送があったが彼女は大きく倒した席はそのままで降りていった。
因みに右側の席には直射日光が入り込んでいたが、左側は方向から言ったら北側になるので直射日光は入らない。直射日光が入らないところで且つブラインドの効果がどのくらいあるかは私は知らない。
窓際の人は普通、他の人と関係なく自分が開けたければ開け、締めたければ締める。直射日光の入り込む場合は普通はそれが当たり前と誰もたいして気にもとめない。
しかしそうでない場合は、窓外の景を楽しみたい人がいることを頭のどこかに置いておくくらいの配慮があってもよいのではないか。
そのような人の居るのに気が付かない場合は仕方ないが、頼まれた場合、それでもブラインドを開閉する権利を窓際の人は切符代の中に入れて買っているのかなと変な気になった。
車掌に言っても、恐らくお話し合いで決めてくださいというのが落ちだろう。
信州の山の新緑は美しかった。
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